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就業規則と賃金規程、この2つ違いは?なぜ両方必要なの?

就業規則・書類の保存

社長の皆さん、こんにちは。

会社を経営していると、「就業規則」や「賃金規程」といった言葉をよく耳にしますよね。でも、ふとこんな疑問を持ったことはありませんか?

実は、多くの経営者の方から、この「就業規則と賃金規程の関係」についてのご相談を受けることがよくあります。

そこで今回は、この少しややこしい2つの関係性について、噛み砕いてお話しします。「法律のことは難しくて苦手だ」という社長さんも、ぜひリラックスして読んでみてください。

1. そもそも「賃金」のルールは必ず決めないといけない

まず最初に、一番大切な「法律のキマリ」についてお話しします。

法律では、「就業規則を作るなら、絶対にこのことについては書いておきなさい!」と決められている項目がいくつかあります。これを専門用語で「絶対的必要記載事項(ぜったいてき・ひつよう・きさい・じこう)」と呼んだりします。

この「絶対に書かなければいけないこと」の一つに、実は「賃金(お給料)」に関するルールが含まれているのです。

具体的には、以下のようなことです。

  • 賃金の支払日はいつにするか(毎月〇〇日払い、など)
  • 締め日はいつか(毎月末日締め、など)
  • 支払方法はどうか(銀行振込か、手渡しか、など)

つまり、法律上、就業規則の中には必ず「お金に関するルール」を決めなければならないことになっています。まずはここを押さえておきましょう。

2. 「賃金規程」は絶対に作らないといけないの?

さて、ここで一つの疑問が浮かびます。「就業規則の中に賃金のことを書くなら、わざわざ『賃金規程』という別の冊子を作る必要はないんじゃないの?」という疑問です。

結論から言うと、その通りです。

賃金に関するルールを、就業規則の本則(メインの就業規則)の中に一緒に書き込んでしまっても、法律的にはまったく問題ありません。

「賃金規程」という別の名前がついた書類を、必ず作らなければいけないという決まりはないのです。就業規則の中に、必要な賃金のルール(規定)がすべて網羅されて書かれていれば、法律上はそれでOKです。

では、なぜ世の中の多くの会社には「就業規則」と「賃金規程」の2つがあるのでしょうか?

3. なぜ多くの会社は別冊にするの?

法律上は一つにまとめてもいいのに、あえて「賃金規程」として別冊にする会社が多いのには、ちゃんとした理由があります。

それは、「賃金のルールは変更することが多いから」です。

会社を経営していると、お給料の仕組みを変えたくなるタイミングが結構ありますよね。

  • 基本給の金額を改定したい
  • 新しく「〇〇手当」をつけたい
  • 手当の金額を見直したい

このように、賃金に関しては改定の頻度が結構多いのです。

もし、分厚い「就業規則」の中に賃金のルールも全部書いてあったらどうなるでしょうか?お給料のルールを少し変えるたびに、就業規則全体を見直して、作り直さなければならなくなります。これは事務作業としてちょっと大変ですよね。

そこで、「変更が多い賃金の部分だけ、別の規程として外に出しておこう(別冊にしておこう)」と考えるケースがあるのです。これが、賃金規程が存在する大きな理由です。

4. イメージで理解する「親子関係」

ここまでのお話で、就業規則と賃金規程の関係が見えてきたでしょうか。もっとわかりやすくするために、一つのイメージを持ってみてください。

「賃金規程」とは、あくまで「就業規則の一部」を外に持ってきただけのものです。

就業規則という「親」の中に含まれていた「賃金」という「子供」を、管理しやすいように別のノートに書き写しただけ、と考えてみてください。ですから、別冊になっていたとしても、賃金規程はあくまで就業規則の一部です。

「就業規則(本則)」 + 「賃金規程(別冊)」 = 「完全な就業規則」

このように、この2つを合わせて一つの「就業規則」なのだと考えていただくと、関係性が非常にわかりやすくなると思います。別々の独立した無関係な書類ではなく、あくまでセットで一つのルールブックなのです。

5. 一番大切なのは「作ること」ではなく…

ここまで、就業規則と賃金規程の関係について解説してきました。
「なるほど、中身はセットなんだな」とご理解いただけたかと思います。

最後に、社長さんにどうしてもお伝えしたいことがあります。

多くの経営者の方は、こうした就業規則や賃金規程を「作ること」自体が目的になってしまいがちです。立派なファイルを作って棚にしまって満足してしまう、なんてこともあるかもしれません。

しかし、本当に大切なのは「作ったルールをいかに運用するか(実際にどう使うか)」ということです。

どんなに立派な就業規則や賃金規程を作っても、それが現場で正しく使われていなければ意味がありませんし、会社を守ることもできません。
そのためには、今回お話ししたような基本的な関係性はもちろん、就業規則に書かれている法律のことや、実際の運用の仕方について、社長さん自身が正しく理解する必要があります。

まとめ

  • 就業規則には、必ず賃金のルールを書かなければならない。
  • 賃金のルールを就業規則の中に全部書いても、法律上は問題ない。
  • でも、賃金は変更が多いので、そこだけ「賃金規程」として別冊にすることが多い。
  • 「就業規則」と「賃金規程」は2つ合わせて1つのルールブック(親子関係)である。
  • 大事なのは作ることではなく、正しく理解して運用すること。

いかがでしたでしょうか?
「難しそうだな」と思っていた就業規則と賃金規程の関係が、少しでもクリアになったなら嬉しいです。

ルールブックは会社の憲法のようなものです。ぜひ、その中身や関係性を正しく理解して、会社経営に役立ててくださいね。