まずは無料相談をメールでお問い合わせください

無料相談申し込みフォーム

助成金申請前の就業規則と賃金の一致が超重要

助成金

社長さんこんにちは!社労士みなみです。 助成金の申請を考え始めたとき、多くの社長が「うちは問題ない」とおっしゃいます。しかし実際に書類を確認してみると、就業規則や労働条件通知書の内容と、実際の給与支払いがズレているケースが少なくありません。

このズレが原因で、助成金審査に通らないことがあります。

助成金審査では何を見るのか

助成金では、次の3つが一致しているかを確認します。

  • 就業規則・賃金規程
  • 労働条件通知書(または雇用契約書)
  • 実際の給与支払い実績(給与明細・賃金台帳・タイムカード等)

どれか一つが正しくても、3つがすべて一致していなければ審査は通りません。

よくあるズレの具体例(日給制はココ注意)

東京都の最低賃金は時給1,226円(2025年10月~)です。

次のようなケースは、社長が「十分な額を払っている」と思っていても実はNGです。

【就業規則・労働条件通知書の記載】
  • 所定労働時間:1日7時間
  • 賃金:日給8,500円
【実際の勤務と給与支払い】
  • 実際の労働時間:毎日7.5時間働いている
  • 実際の支給額:日給8,500円のみ(追加支払いなし)

会社側の言い分はこうです。

「日給8,500円をしっかり払っている。総額でちゃんと払っているんだから問題ないはず」

しかし、これは審査で確実に弾かれます。理由は以下の2つです。

① そもそも「0.5時間分」が未払いになっている

就業規則に「所定労働時間は7時間」と書かれている以上、日給8,500円はあくまで「7時間分の給与」です。毎日7.5時間働かせているのであれば、はみ出した0.5時間分について追加の賃金(残業代等)を支払わなければなりません。それが支払われていない場合、「未払い状態」とみなされます。

② 実態に合わせて書類を直すと「最低賃金割れ」が発覚する

「じゃあ、実態に合わせて就業規則を『1日7.5時間労働』に直せばいい」と考えるかもしれません。しかし、日給制の最低賃金は「日給額 ÷ 1日の所定労働時間」で判定されます。

就業規則を7.5時間に書き換えた瞬間、

8,500円 ÷ 7.5時間 = 時給換算 約1,133円 → 東京の最低賃金1,226円を大きく下回る法律違反となってしまいます。

書類と実態がズレていると、「未払い賃金」か「最低賃金割れ」のどちらかに必ず引っかかってしまうのです。

最低賃金違反が過去1年以内にあると確認された場合、助成金の支給停止・不支給となるリスクがあります。

では、どうすればいいのか

申請前に、次の3つのステップで確認してください。

STEP 1|3つの書類を並べる

  • 就業規則・賃金規程
  • 労働条件通知書(または雇用契約書)
  • 直近6ヶ月分の給与明細・賃金台帳・タイムカード

この3つの所定労働時間・時給単価・実際の支払い額が完全に一致しているかを確認します。

STEP 2|時給単価を計算して最低賃金と照らし合わせる

日給制や月給制で支払っている場合は、必ず就業規則に記載された所定労働時間で割って時給換算します。

日給 ÷ 就業規則上の所定労働時間 = 時給単価 この時給単価が 1,226円以上(東京・2025年10月~)であればOKです。

合計額が多くても、時給単価が1,226円未満であれば最低賃金違反となります。最新の最低賃金額は東京労働局のサイトでご確認ください。

STEP 3|ズレがあれば申請前に修正する

不一致や最低賃金割れが見つかった場合は、申請前に必ず是正してください。

  1. 就業規則・賃金規程を正しい労働時間・賃金額に修正する
  2. 労働条件通知書・雇用契約書も同じ内容に揃える
  3. 未払い賃金や最低賃金を下回っていた期間があれば、過去に遡って差額を支払い清算する
  4. 是正後、適正な支払い実績を6ヶ月以上積んでから申請する

書類を直してすぐ申請、とはいきません。正しいルールのもとで給与の支払い実績が伴って初めて審査に進めます。

申請前のチェックリスト

  • 就業規則の所定労働時間と、実際の労働時間(タイムカード等)が一致している
  • 日給や月給を所定労働時間で割った時給単価が、1,226円以上(東京・2025年10月~)になっている
  • 労働条件通知書と就業規則の内容が一致している
  • 直近3〜6ヶ月の給与明細が、書類のルール通りに計算・支給されている

すべてにチェックが入れば、賃金面での準備はOKです。不安な点は申請前に社会保険労務士に確認しておくことをお勧めします。